ポーズトゥポーズとは?

CGアニメーションの制作手法「ポーズトゥポーズ」についてまとめました。

ポーズトゥポーズとは

大事なポーズ絵を先に決めてから間を中割りでつないでいくアニメーション制作。

たとえば走りモーションを8つのポーズで制作するとこのようになります。

ポーズトゥポーズはもともと作画アニメの手法で、日本のアニメでいう「原画・動画」も同じ考え方です。

CGアニメーションでは原画を「キーフレーム」に、動画を「補間」に置き換えることでポーズトゥポーズによる制作が可能です。

ゲームやアニメなどの仕事ではアニメーションの尺(長さ)や必要な動きが決まっているため、ポーズトゥポーズで作り始めることが多いです。

制作手法としてはポーズトゥポーズのほかに「ストレートアヘッド」「レイヤードアプローチ」があります。

ポーズトゥポーズの基本手順

おおまかな流れは以下のように進めていきます。

  1. 動きに必要なポーズをいくつか用意します。
  2. ポーズのタイミングを調整します。
  3. 下半身(重心~足)の重心移動・接地・軌道を整えます。
  4. 上半身の軌道を整えます。
  5. 全体を見ながら各パーツの動きを整えます。

当サイトでは1~2をブロッキング、3~5をブラッシュアップと工程を分けて解説しています。

ブロッキングとブラッシュアップ

  • ブロッキング:ざっくりと全身のアニメーションを設計する
  • ブラッシュアップ:体の部位ごとに細かい動きを詰める

ブロッキングで全体的な動きの土台を用意してから、ブラッシュアップで肉付けしていくイメージです。

以下の動画ではポーズトゥポーズの手順に沿って蹴りモーションを作成しています。

スプライン/ポリッシュ
※海外のCGアニメーション現場ではブロッキング/スプライン/ポリッシュという3工程で制作されています。当サイトではスプライン/ポリッシュをまとめてブラッシュアップとして解説します。

第一段階 – ブロッキング

ブロッキング段階では細かいことはあまり気にせずに、ざっくりと動きのラフを作っていきます。

キャラのポージングと、そのポーズをとらせるタイミングを決めていく工程です。

後ろ回し蹴り

後ろ回し蹴りのキーポーズ

ポージング

動きの中で必ず必要になる重要なポーズをキーポーズといいます。

まずはリグ全身にキーを打って、キーポーズをいくつか作成していきます。

キーポーズが多すぎると調整が大変なので、まずは3~5ポーズくらいで作成することをおすすめします。
どうしても足りない、となってから追加していく方がミスは少なくきれいな動きを作りやすいです。

【ポージングで意識する要素】

  • 重心線
  • 支持基底面
  • 予備動作
  • フォロースルー

タイミング

作成したキーポーズからアニメーションの長さ(尺)を決めていきます
リグ全身を選択してキーフレームの位置を変えることでキーポーズのタイミングを調整します。

ポーズをつないだだけなので、足元がふわふわしてたり体がめり込んでいたり気になるかもしれませんが、細かい調整は後でいくらでもできるので気にせず、動きのテンポや雰囲気を見ていきます。
もっと早いほうが良いなとか、もっと大きく動かした方が良さそう…などなどポーズとタイミングに着目して目指す雰囲気に近づけていきます。

キーポーズとタイミングの調整ができて、動きのイメージが出せたらブロッキングは完了です。

第二段階 – ブラッシュアップ

ブロッキングで作った全身アニメーションをベースに、ここからは身体の各パーツごとに動きを調整していきます。基本的にはブロッキングで表現しきれてない細かい動きや不自然な動きを整えていく作業になります。
個人的にブラッシュアップで意識している点は以下の5要素。

  • 重心移動
  • 接地
  • 目線
  • 軌道
  • 残し

ポーズトゥポーズのメリット・注意すること

ポーズトゥポーズで制作するメリットと、気をつけておくことをまとめました。

メリット

分かりやすい

キャラクターリグは動かすところが多く複雑な作りをしているので、はじめから「動かそう」と思ってキーを打ってもなかなか一筋縄ではいかないと思います。
一方「大事な絵を決めていく」という発想で全身にキーを打ってポーズを揃えていくと、間はツールがつなげてくれるので自然とうまくいきやすいです。
タイミングの調整もキー位置をずらすだけでできるので、考え方がシンプルで分かりやすいかなと思います。

全体像を見ながら調整できる

最初にざっくり作ってしまうので完成形の方向性をつかみやすいです。制作現場でもまずブロッキング段階でディレクターがチェックするといった開発フローは多いです。作り込んでしまってから修正、となると大変なので。

フレーム管理がしやすい

たとえばゲームモーションで何フレーム目にヒットさせるとか、
アニメで何コマ目にこの絵を見せるとか、意図したタイミングで絵を表示させるのが得意です。

注意すること

動きのタイミングが同時にならないように

ブロッキングのままだと全身が同じタイミングで動き始めたり止まったりするので、ロボットっぽい動きになります。何フレーム目にキーが打ってあるのかバレバレな動きです。
ここはブラッシュアップでしっかりパーツごとの動きをずらして、柔らかさを出していくことで解決できます。

揺れモーションは慣れが必要

スカートや髪などの揺れものや尻尾などのなびくような表現は慣れないと少し難しいです。
揺れものに関してはレイヤードやストレートアヘッドなど、他のワークフローも試してみると良いかも。

振り子の実践モーションではポーズトゥポーズで揺れの表現を解説しています。

振り子アニメーション実践
振り子のアニメーション手順をまとめました。 振り子リグ UltimatePendulum 今回の振り子モーションに使うUltimatePendulumは、Mayaのフリーリグ「UltimateRig」シリーズのひとつ...

参考リンク

3dtotal.jp – 3ds Max で『ストリートファイター』のリュウのアニメーションを作ってみた!?
他にもストVリュウで色々作ってくれてます。どれもポーズトゥポーズに沿って作成してるので手順の参考に。

3dtotal.jp – 切った、やられた、歩く、走る、跳ぶ.. ゲームキャラクターのアニメーション制作
キャラクターのゲームモーション解説記事。プロの作業画面や着眼点が分かります。

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