3DCGを扱うソフトでは、作品によって設定を変えないといけないことがあります。
ツールを問わず、CG制作前に気をつける設定についてまとめてみました。
環境設定とは
特にここでは、CG制作をする上で決めておかないといけない設定について解説します。
環境設定が統一されていないと...
- チームで同じ作品を作ってるのに、人によって作ったモノのスケール感がバラバラ
- 自分が提出したデータをお客さんのPCで見たら色が全然違う
- そもそもデータが開けない、壊れてる
いざ作り始めてからこうした問題が起きないように、制作前にみんなで環境設定などのルールを決めてから作り始めます。
こうした制作する上での決まりのことを仕様(レギュレーション)と呼びます。
仕様が特に大事なのは複数人が関わるチーム制作のとき。
個人制作なら深く考えずに、とりあえず作り始めてみても大丈夫です。
仕様に関わる環境設定
CGツール共通で制作に関わる環境設定として以下2点をあげています。
- 単位設定
- フレームレート(FPS)
単位設定
扱う数値の単位をどうするかの設定です。
3Dソフトでは何かモデルを作るとき、数値を入れて寸法を設定します。
例えば縦横高さ"1"の箱とか、高さ"120"のキャラクターとか。
このときの数値が1"センチ"なのか1"メートル"なのか1"インチ"なのか。どの単位として扱うかを単位設定で決めることができます。
例えば120"センチ"で作ったキャラを"メートル"単位で作った背景に合わせたら120"メートル"の巨人になったり。
大きさの問題以外にも、リグやセットアップが壊れたり物理演算(シミュレーション)がうまくいかなかったりと、単位設定のずれは百害あって一利なしです。
必ず制作開始前に単位設定を決めておく必要があります。
主なツール別 ユニット単位の初期設定
- 3dsMax :インチ
- Maya :センチ
- Unity :メートル
- UE4 :センチ
- Blender:メートル
主要ツールでも初期設定はバラバラです。ゲームエンジンの設定を変えることはまずないので、3Dツールの設定を合わせることになります。ケースバイケースですが、センチで統一して進めるプロジェクトが多い印象です。
フレームレート
CGでは時間の最小単位をフレームと呼びます。
また「1秒間を何フレームとするか」という設定をフレームレートとかFPSと呼びます。
FPS = Frame Per Second = 1秒間あたりのフレーム数
30FPSなら30フレームで1秒です。秒間30枚の絵を使うアニメーションということです。FPSの数字が上がるほど1秒間の描画枚数が増えるので滑らかに、数字が少ないとカクカクした映像になります。
主要コンテンツのフレームレート
- ゲーム :30fps/60fps
- アニメ :24fps
- 映画 :24fps
- テレビ放送 :29.97fps
ゲームや映像作品などで広く使われているフレームレートは30FPSです。
最近のハイエンドゲームだと60FPSが主流になりつつあります。また映画やアニメなどフィルム撮影が関わるものは24FPSです。
アニメーションスタイルの作例動画
10秒のアニメーションですが右上のタイムコードが「120」で終わることから、秒間12枚=12fpsのアニメーションということが分かります。通常のCGアニメーションよりコマが落ちてアニメっぽい表現になっています。
フレームレートを制作途中で変えるとアニメーション速度が変わったり、キーフレームの位置がずれたりと問題があるので、必ず制作開始前に設定しておきます。
その他の環境設定について
他にも知っておいた方が良い設定についてまとめてみました。
プロジェクト設定
例えばPhotoshopのようなソフトの場合、出来上がったpsdファイルだけあればデータとして完結します。
3Dデータの場合は、作った本体ファイル以外に紐づくファイルがたくさん出てきます。
例えばモデルに貼るテクスチャ画像や、音声データ、リファレンスデータなどなど。
3DシーンデータだけあればOK、というわけにはいかないんですね。
必要なデータがPCの色んなところに散らばっていると大変なので、
データ一式を所定のフォルダにまるっと集めて管理することができます。
どこのフォルダにするか指定するのがプロジェクト設定です。
初期設定ではCドライブのユーザーフォルダが指定されてるソフトが多いです。
開始フレーム
アニメーションを何フレーム目から開始するか。
基本的に0フレーム開始か1フレーム開始のどちらかになります。
アニメでは1F開始で制作することが多いです。
これはタイムシートと言われる作画の設計が1コマ目から始まっているため、CG側も1F開始で制作してコマ数を合わせるためです。
ゲームでは0F開始が多い印象です。
タイトルごとにモーション仕様が決められていて、開始フレームも指定されていることが多いです。
各DCCツールの詳細設定
各ツールごとの環境設定については以下にまとめています。

