3DCGツールでは作品によって全体的な設定を変えないといけないことがあります。
CG制作を始める前に気をつけたい環境設定についてまとめました。
- ツールを問わず、3DCG全般で共通して知っておきたい「データ構成・仕様」にかかわる設定についてまとめています。
環境設定とは
3DCGツールの全体的な設定のこと。
大きく以下の2種類に分けて考えることができます。
- ユーザーの使い勝手にかかわる設定
- シーンデータの構成・仕様にかかわる設定
ここでは後者の「シーンデータの構成・仕様にかかわる設定」について解説します。
ちなみに「ユーザーの使い勝手にかかわる設定」とは
操作画面の見た目(UI)をどうするかとか、ショートカットキーをどうするかといった、
シーンデータそのものにあまり関わりがない部分の設定をいいます。
環境設定が統一されていないと...
- 人によってモデルのスケール感がバラバラ
- 自分のデータを他の人のPCで見たら色味が違う
- 他の人から受け取ったデータが開けない
いざ作り始めてからこうした問題が起きないように、制作前にみんなで環境設定などのルールを決めてから作り始めます。
こうした制作する上での決まりごとを仕様(レギュレーション)と呼びます。
仕様に関わる環境設定
3DCGツールで主に共通している環境設定として以下2点をあげています。
- 単位設定
- フレームレート(FPS)
単位設定
ツール内で扱う数値の単位をどうするかの設定です。ユニット単位と呼ぶこともあります。
3DCGツールではモデルを作るときに、必ず数値を入れて寸法を設定します。
例えば高さ"1"の箱とか、高さ"170"の人など。
このとき、寸法の単位がセンチ?メートル?インチ?
どの単位として扱うかを単位設定で決めることができます。
単位設定が統一できていないと...
たとえば"センチ"設定で作ったキャラを"メートル"単位で作った背景に合わせたらビルより高い巨人になったり。
大きさの問題以外にも、リグやセットアップが壊れたりシミュレーションがうまくいかなかったり、制作のいろんな場面で問題が起こります。
主なツール別 ユニット単位の初期設定
- Maya :センチ
- 3dsMax :インチ
- Blender:メートル
- Unity :メートル
- UE4 :センチ
主要ツールでも初期設定はバラバラです。
必ず制作を始める前に単位設定を決めておく必要があります。
ケースバイケースですが、「センチ」設定で統一するプロジェクトが多い印象です。
フレームレート
CGでは時間の最小単位をフレームと呼びます。
ここで「1秒間を何フレームとするか」の設定がフレームレートです。
フレームレートについては以下の記事にくわしくまとめています。
フレームレートは主にアニメーションに関わってくる大事な設定です。
フレームレートが統一できていないと...
たとえば24fpsで作ったアニメーションを30fpsの環境で再生すると、全体的に動きが少し速く見えたり。
アニメーション速度が変わる以外にも、途中のコマが飛んでカクついて見えたり、キーフレームの位置がずれたり、制作のいろんな場面で問題が起こります。
必ず制作を始める前にフレームレートを決めておく必要があります。
その他の環境設定について
他にも知っておいた方が良い設定についてまとめてみました。
プロジェクト設定
3DCGでは本体のシーンデータ以外に、シーンデータへ紐づく関連データも出てきます。
例えばモデルに貼るテクスチャ画像や、音声データ、リファレンスシーンなどなど。
関連データがPCの色んなところに散らばっていると他のPCで問題が起きるため、
データ一式を一つのフォルダにまるっと集めて管理します。
この管理用フォルダをどこにするかを決めるのがプロジェクト設定です。
所定のフォルダをプロジェクト設定をしておくことで、他の人のPCでも関連データの参照が切れることなくシーンデータを開くことができます。
開始フレーム
シーンの時間を何フレーム目から開始するか。
たいていは0フレーム開始か1フレーム開始のどちらかになります。
アニメでは1F開始で制作することが多いです。
タイムシートと言われる作画の設計書が1コマ目から始まっているため?
CG側もコマ数を合わせて作った方が都合が良いですね。
ゲームでは0F開始が多い印象です。
各3DCGツールの環境設定
各ツールごとの環境設定については以下の記事にまとめています。