ゲームモーションの基本、待機モーションについてまとめています。
待機モーションとは
インゲームモーションのひとつ。
何も操作していない「入力待ち」のときにとらせるモーションのことをいいます。
ゲーム中のモーション(走りや攻撃など)は待機状態から派生するため、待機モーションはその他モーションの起点となるもっとも重要なモーションです。
待機ポーズの意味
待機モーションの開始フレーム(0F)は特に「待機ポーズ」と言われます。
待機ポーズはすべてのモーションの開始・終了に使われる重要なポーズです。
またキャラの性格や武器種を表すためのアイコン的な役目もあります。
データ作成的にもキャラの表現的にも、待機ポーズの出来がキャラ全体の出来に直結してきます。
以下は実際のゲーム中の待機モーションです。
それぞれキャラごとの個性を表現したモーションになっていることが分かります。
待機モーションのポイント
待機モーションの開始ポーズはすべての動きにつなげる特性上、特に気をつけることは以下の3点
- 重心バランス
- ニュートラル
- 座標の整理
重心バランスがとれていること
安定したポーズで立っている状態が前提になります。
(浮いてる人もいますが...)
自分でも静止したままそのポーズがとれるかどうか確認してみる。
どの角度から見ても倒れなさそうなバランスになっているか、重心線と支持基底面をチェックしましょう。
またゲームのキャラは前方に対してアクションを起こすため、正面方向を向いている必要があります。
- 静止したポーズとして再現可能か
- 目線を正面に向ける
- シルエットの正中軸をX=0にとる
ニュートラルであること
他モーションへつながる起点になるため、片寄っていない中間的なポーズを心がけると良いです。
- 手足は伸ばしすぎず、縮めすぎず
- 重心は低すぎず、高すぎず
- 極端な動きをさせない
片寄ったポーズにすると派生モーションの予備動作に影響します。
- 極端に後ろにかまえたポーズ →後ろにタメる動作につなげることができない
- 極端に手を広げたポーズ →大きく手を広げる動作につなげることができない
- 中腰で力を抜いたポーズ →重心の上下動どちらにもつなげられる。四肢の曲げ伸ばしどちらにも変化できる
コマンド入力をしてもキャラの絵が変化しないと楽しくないですよね。
あらかじめ待機のポージングをニュートラルにしておくと、どのモーションに遷移してもポーズの変化が分かりやすくなります。
また待機モーション中にポーズが大きく変わると別モーションにうまくつながりません。
どのタイミングでコマンド入力があってもつながるように、ある程度ポーズを保っておくと良いです。
座標を整理しておく
待機ポーズはそのキャラのほぼ全モーションで開始終了ポーズとして使われます。
そのためデータとして扱いやすくしておくことも重要です。
たとえば...
- ジンバルロックを解決しておく
- 重心(COG)の座標値を丸めておく
- シーンの原点に配置する
ジンバルロックを解決しておく
手首や武器でありがちなのが、待機ポーズの時点でジンバルロックを起こしているケース。
派生モーションもすべてジンバルロックから始めることになるので極力避けた方が良いです。
重心(COG)の座標値を丸めておく
とくに重心の移動XYZ・回転XYZはきれいな数値にしておくと、後々のトラブル対応が楽になる場合があります。
「0.004」のような中途半端な数値は「0」に、「-360」などの回転値は「0」にしておくなど、なるべく分かりやすい数値にしておくと良いです。
シーンの原点に配置する
シーンの原点はゲームエンジンではRootとして認識されるので、Rootから位置がずれているモーションは扱いづらくなります。基本的に原点の真上に重心か体の中心がくるような配置をしておく。
待機モーションまとめ
ゲームモーションの要になる待機モーションについてまとめました。
- 重心バランス
- ニュートラル
- 座標の整理
- 静止したポーズとして再現可能か
- 目線を正面に向ける
- シルエットの正中軸をX=0にとる
- ジンバルロックを解決しておく
- 重心(COG)の座標値を丸めておく
- シーンの原点に配置する
基本的な待機モーションの実践記事を以下にまとめています。こちらも合わせてどうぞ。