Mayaで広まっているマルウェア対策についてまとめました。
対処法だけ知りたい方は「対策」の項目をご覧ください。
[Maya 2020.3]
vaccine.pyとは
2020年9月頃から報告されているマルウェアです。
Mayaシーンデータを介してMayaに感染します。
Maya で保存時に中国語の warning が表示される | Maya | Autodesk Knowledge Network
PCにダメージを与えるような類ではなく、Mayaの動作が少し変わってしまう程度の影響です。
とはいえデータのやりとりで簡単に広まってしまうので拡散させないように自衛しておきましょう。
症状と判別方法
マルウェアに感染した場合の症状について。
- userSetup.melを削除される
- Mayaに中国語の警告が表示される
- userSetup.pyを改変される
- vaccine.py vaccine.pycが生成される
以下から順に説明します。
userSetup.melを削除される
実害のある影響としてはこれかなと。
userSetup.melに自動処理をさせているプロジェクトなどでトラブルになるかもしれません。
Mayaに中国語の警告が表示される
シーンの保存時に見慣れない中国語の警告ログが表示されます。
実害はないですが、システム言語以外のログが出るのはなんかイヤですね。
userSetup.pyを改変される
userSetup.pyにマルウェア実行にかかわる追記がされます。
userSetup.pyがなければ勝手に作成されます。
vaccine.py vaccine.pycが生成される
マルウェアの本体がこれのようです。Maya終了時に自動作成されます。
対策
- 該当ファイルを削除する
- Security Toolsをインストールする
- Security Toolsの自動実行を設定する
該当ファイルを削除する
マルウェアを手動で削除します。
vaccine.pyとvaccine.pyc、改変されたuserSetup.pyの3ファイルを削除します。
これでマルウェアの駆除は完了です。
Security Toolsをインストールする
今後受け取ったMayaシーンデータから感染しないように対策をしておきましょう。
以下のAutodeskダウンロードリンクから、Security Toolsをインストールします。
Security Tools for Autodesk® Maya® 2023 - 2015 | Maya | Autodesk App Store
Security Toolsの自動実行を設定する
Maya起動時にマルウェアのスキャンと駆除を実行できるように、自動ロードの設定します。
- Mayaを起動する
- メニュー:ウィンドウ > 設定/プリファレンス > プラグインマネージャ
- MayaScannerのロード・自動ロード すべてにチェックを入れる
これでシーンデータを開いた時に自動でファイルスキャンと検出・駆除がされるようになります。
感染ファイルを開こうとすると、このようにダイアログが表示されるので...
「Yes」をクリックすると駆除ができます。
「Save and Quit」をクリックするとマルウェア駆除済みのシーンデータとして上書き保存されます。
以降は安全なファイルとして開くことができます。
vaccineマルウェア対策まとめ
2020年5月頃に出回ったマルウェアに比べたら実害は少ないですが、自分はuserSetup.melを削除されたことでMayaの爆速終了ができなくなって困りました。
Security Toolsを入れるだけで対策できますので拡散防止のためにも導入しておくことをおすすめします。
以上、vaccineマルウェア対策でした。
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