デモリールを作るうえで気をつけた方が良い点についてまとめました。
デモリールのポイント
- 動画サイズはHD(1280×720)あればOK
- 形式は「h.264圧縮のmp4」が軽い・きれい・汎用的。YoutubeにもUPできる
- 基礎モーションはパース/正面/横で画面分割する→同じものを何度も見せない・退屈させない工夫
- 尺(動画の長さ)より構成に気を使おう。基礎3点・応用3点・カメラワーク2点もあれば十分。
素材はプレイブラストでOK
モーションを見せるなら画質はあまり気にしません。
レンダリングに時間をかけるより素材のブラッシュアップに時間を費やすべき。
プレイブラストの見栄えを良くする
画質は気にしないとはいえ良い印象にする工夫を。
モーションで大事な接地感を出すべく、地面と影は必ず設定するようにしましょう。
収録素材の要素と構成
要素:どんな作品を入れれば良いの?
就活用デモリールは、自分のアニメーションのスキルをアピールするための作品になります。
要素は大きく3つに分けて考えると見せ方の整理ができて良いです。
- 基礎
- 応用
- 演出
基礎
単品の単発モーション素材。
目的は基本的なアニメーション作法・物理法則が再現できているか、キャラなら重心移動ができてるかを確認する。
- 歩き・走り
- パンチ・キック・回し蹴り
- バウンシングボール・振り子
- 車ドリフト
- 四足動物・クリーチャー
- スケボー技
歩き・走りは出来不出来がすぐに判断できるのでどちらか必ず入れます。
バウンシングボール・振り子・車のドリフトなどは、物理法則を理解しているか。
パンチ・キック・回し蹴りはゲームモーションの実践としての単発モーション。
スケボー技は人とモノを連携させた動きができるかどうか。
応用
基本モーションの組み合わせで複雑な動きを作れるかどうか
基礎の単発モーションとの違いは、互いに影響しあうということ
- ゲームの連続モーション
- パルクール
- キャラ二人の掛け合い
連続モーション・パルクールはアクションからアクションへ自然につながっているか、軸足と体重移動ができているかどうか。
複数人の掛け合いはお互いに力の干渉を受けた動きをしているか、手間のかかる作業が雑になっていないか。
演出
キャラクターの動きだけでなく、カメラワークとレイアウトまで意識する。
基礎・応用は生き物の動きを忠実に作成するのに対して、見る人にストーリーや迫力を魅せるため16:9の画面に収めること。
絵のウソをついてもOK
- ゲームの登場演出
- アニメータードラフト会議
- アクションシーンのトレス
構成:順番や見せる工夫は?
デモリール冒頭に一番自信のある素材を見せる。できれば「演出」要素のどれか、カメラワーク込みの見ごたえがあるもの。
中盤は基礎~応用を順に並べる。歩き・走りなど地味なものを後半に配置すると間延びした構成になるのでなるべく前半に。
最後は冒頭に配置した素材の次に自信作を配置して締める。
終わりよければすべて良し
最後にも冒頭と同じく派手目な演出系を配置すると印象に残りやすい作品になります。
ゲーム業界向けデモリール
「基礎」「応用」をしっかり見せる
ゲームはユーザーが自由に視点移動できるため、モーションはどの角度から見ても破綻しない自然な動きが求められます。
実装データとして正確であることも必要なのでループがずれていないか、雑な仕事をしていないかどうかも見られます。
また人型以外のモーションも評価されます。
昨今は人型モーションに関してはモーションキャプチャでベースを用意することも増えてきましたが、人外クリーチャーはモーキャプでは作成できないので手付モーションの表現が必須になります。
「演出」で差別化を図る
「演出」素材は必須ではないですがあると尚良し。
必殺技演出やカットシーンでは、カメラワークとレイアウトの理解が必要なってきます。
アニメ・映像業界にくらべて優先度は下がりますがアドバンテージになるのでぜひ挑戦してほしいです。
アニメ・映像業界向けデモリール
「演出」多めで勢い・個性を出す
映像系デモリールはゲーム系よりも「演出」要素の優先度を上げた方が良いです。
16:9の枠内でいかにカッコ良い絵作りができるかを求められるので、カメラワークやレイアウトのスキルをアピールできると印象良いです。
映像系のCGアニメーションは「ウソついてなんぼ」の世界でもあります。どんな工夫をしたのか、シーン自体を見せてしまうのも面白いかも。
@kohta0130 この動画がウケてるみたいだから、セミナーのとき一番会場が湧いた動画もアップしとこうかな。 pic.twitter.com/3ZKXQozpDM
— 森江康太 Kohta Morie (@kohta0130) April 6, 2016
レンダリング・モーションブラー・ポストエフェクト
絵のクオリティを見られる傾向があります。
会社によってはアニメーターがコンポジットや編集を担当することもありますので、例えばレンダリング素材をAEでコンポジットして加工してみたり、多少のモーションブラーやポストエフェクトを入れてみても良いと思います。
※やりすぎには注意
自分が好きなテイスト、やりたいことを前面に出していくべき。